支援する人材・技術・機器・環境の創出と情報提供
トップページへ
お知らせ 福祉機器開発・製造・販売 児童デイサービス・知的障害者介護サービス
カトレアサービスとは
 
福祉機器開発・製造・販売
福祉機器開発・製造・販売 児童デイサービス・知的障害者介護サービス カトレアサービスとは
児童デイサービス・知的障害者介護サービス


アーチ研修報告

Vol.11 2011年12月15日発行

平成23年度第1回児童発達支援協同研修会

楽しく充実した福祉のお仕事 
〜女子肉食化のススメとWLB(ワーク・ライフ・バランス)〜

第1部 男子草食化・女子肉食化のススメ
【講師】渡辺顕一郎さん(日本福祉大学教授 あいち児童発達支援連絡会会長)

第2部 仕事も家庭も自分自身も楽しむワークライフバランス
【講師】小島恭子さん(ライフ ワース クリエイション 代表)

平成23年11月19日(土)13:30〜16:00 名古屋能楽堂

参加者:赤崎・山田・小澤・永田・白井・東條・安井・林・曽根田

渡辺先生のご両親が共働きであったという生い立ちのお話からこの講義は始まりました。「男は食べさせていく、女は家庭を守る」という考えが一般的だった時に、共働きが当たり前の時代が来るという考えを持ったご家庭で育ったという ことでした。

この講義では印象に残るお話がいくつもありました。 まず、日本ではなぜ女性の社会進出が進まなかったのか。 それはかつて日本でも共働きが当たり前であったのに対し、 戦後まもなく、子どもがたくさん生まれた時代に、狭い国 土の中で仕事の取り合いという深刻な課題に直面し、男性 偏重の結果、専業主婦が増えたということです。実際、ロ シアの様に国土が広く、人口の分散する国では、国の産業を維持するため性別にかかわりなく労働力が必要とされ、女性の社会進出も進んでいます。また北欧のように共働きが進んでいる国では、「どんどん働いてください。老後は国が面倒を見ますから」「子育ては国が助けます(学費の無料など)」という体制がとられているとうことでした。

次にイマドキの子どもに目を向けると、ユニセフレポートでは"孤独を感じている子ども"の割合は、日本が最も高かったと報告されています。また、日本青少年研究所の調査では、日本の子どもの自己肯定感の低さが示されました。この国が直面する課題として、今後人口の減少がますます進むことで、「労働力が不足する」「年金、医療、介護などの社会保障を支えられなくなる」「収入も減り家計が維持できなくなる」等があげられていました。そのためこれからは共働きが当たり前の社会を迎えることになります。

しかし、保守的な性別役割意識を見直し、ともに家事や育児を分担する社会へ移行していくことで、家族や社会全体と「子ども」との関わりもより深くなり、子育てにおいても良い方向に向かっていくように感じました。

「志をもって、やりがいを糧(カテ)に、福祉に携わる世界に進んできたのに、 結婚や出産などのライフステージの転機に、働きたいのに働けない、家事や 子育てと仕事とを両立していくことが大変だ。」この様な悩みを抱えている人 にとって、仕事と生活の調和:「ライフ・ワーク・バランス」が求められてい ます。この取り組みは特別なものではなく、「愛知県」においても啓発事業として実施されており、私が最近乗った電車の中でも「ライフ・ワーク・バランス推進キャンペーン」の吊下げ広告を目にしました。この研修では、自分らしい理想のワーク・ライフ・バランスを、
@「夢」=目標
A「自責」=自分を責めることでは無く、悔しいという思いから次のステップに向かうこと
B「自信」=未来の自分を信じること 
C「感謝」=家庭や職場への感謝の気持ち、
の4つのキーワードを元にして探っていくというものでした。 この中で特に印象に残ったのは「3年後の理想の私」を考え、書き出していく工程でした。自分自身を中心に「子供」「仕事」「配偶者・恋人」「自分自身(健康・自己成長・趣味・美しさ)の4つの欄を埋めていく中で、これまであまり意識をすることの無かった「何のために働くのか?」「家族とどう接するのか?」「自分は何がしたいのか?」などをあらためて確認できたように思います。そしてそれをグループの中でお互いに発表し合う事で、さらに自分に強く意識付けされました。

講義とグループ内での発表を通して、仕事も生活もすべて自分がオーナーであるという考えが大切であるということを学んだ研修でした。(小澤篤)

---------------------------------------------------------------

職員実習報告

8月から開所したアーチしばた児童心身発達センターでは、主に学齢期前のお子さんを対象にデイサービスを行なっています。今までのアーチでは、学齢期の子どもの支援が中心ということもあり、今回11月8日から11月21日までの2週間南部療育センターそよ風さんで実習させていただきました。私が実習に入らせていただいたクラスは今年から通い始めた2歳から4歳の9人クラスです。クラスの雰囲気もとても明るくいつも歌と子どもたちの声が絶えない元気なクラスでした。クラスの中で担当させていただく子どもを決めていただき2週間その子の介助等を重点的にさせていただきました。

介助では食事や着替え、手洗い、トイレなどいろいろさせていただきましたが1番難しかったのは食事介助でした。好きなもの嫌いなものがはっきりしているので嫌いなものでも頑張って食べていただけるような声掛けをすることがとても難しかったです。嫌いなものが口の中に入ると吐き出してしまうため、きちんと食べていただくにはあらかじめどれだけ食べられるかを本人と相談してから食べ始めるとその目標に向かって頑張ることができました。目標もこちらが決めてしまうのではなく「自分で決めた」ということがとても大切で自分が決めたのだから頑張ろうと思うことができるのだなと感じました。

取り組みとしては子ども達に季節を感じて欲しいということで、この2週間は公園に遊びに行ってどんぐりや落ち葉を拾ったり、絵本に合わせてマットでゴロゴロ転がり体を動かしたり、台の上からどんぐりを転がして楽しんだりしていました。手足に障害のある子どももどんぐりや落ち葉のベットの上で友達の様子を見たり、鍋の中にどんぐりを落として音を聞いて楽しんだりしていました。肢体に障害のある子ども達にも楽しめるようにと日々考え取り組みの準備も工夫して毎回新しいやり方を取り入れています。

自分でやれた時の子どものキラキラした笑顔がとても印象的で「子どもが もっと楽しめるように」を常に考えていくことの大切さを改めて実感しまし た。この実習を通して色々なことを学ぶことができました。今回学んだこと をアーチしばた児童心身発達センターで活かしていけるように努力したいと 思います。(安井由香)

---------------------------------------------------------------

平成23年度支援セミナー

午前:基調講演
【自閉症児の「困った行動」に困らない明るい支援 〜家庭・学校・施設における対応のポイント〜】
奥田健次先生(桜花学園人文学部 准教授)

午後:パネルディスカッション
【困った行動に困らない子どもを育てる〜特別支援教育の現状と展望から〜】

平成23年11月3日10:00〜15:45  名古屋市中区役所ホール

参加者:永田  

今回の研修は、「困った行動」を分析する視点や「困った行動」の変容を目指した一貫性のある適切な支援に視点をあて,困った行動の理解を深めるための ABC 分析,及び特性や状況に合わせた支援ツール(ストラテージーシート)の活用により,望ましい行動が見られた事例を動画で紹介くださいました。

まず、奥田先生は困った行動を4つの視点で分析してお話くださいました。困った行動とは、課題です、乗り越えを経験できます、たまに迂回することも、またアイデアを見つけ、そしてさらなるチャレンジに結びつきます。ついで、適切な支援に視点をあて、ABC分析、及び特性や状況に合わせた支援ツールの活用方法を以下のようにお話くださいました。

こういった分析やツールを使用する時は機能アセスメントが必要で「診断」よりも「行動査定」することが大切とのことでした。また使用する際は、プラス思考で考えることが大切だとお話くださいました。その考え方として、「やめさせる」から「新しく教える」ことで目標行動を見直すことができる、「説得する」よりも「練習する」ことで課題分析を使って練習することができる、「あと追い型」から「先回り型」の支援で予測・予防することができる。

新しいことを教える、先回りの支援を行うために私たち支援者が、問題解決の思考をもち、支援者自身が、支援方法を常に見つめることが必要であると改めて感じました。問題行動への対応については指導員が身につけるべき知識やスキルはたくさんありますが、まず利用者の行動の理由を理解し、気持ちを大切にすることが重要だと思います。利用者の行動の変容を図るためには、問題行動の前後の心の動きに目を向けて、その行動を引き起こした原因やなぜその行動を繰り返し、なぜその行動が維持しているかを考え、一貫した適切な対応(支援)を行うことが必要だと思います。最後にストラテジーシートを使用して、適切な行動を教えることについて学んだ中で「魔法のコップ」のお話がありました。水だけのコップに異物が入ったら多くの人は異物を取り除こうとします。しかし、取り除くのみが方法ではなく新しい水を注ぐことで異物を浮かせ取り除くという方法もあります。困った行動を取り除こうという発想ではなく、新しい行動をたくさん教え困った行動を押し出す【代替行動】という発想もあります。こういった考え方で、支援をする際、ストラテージシートは有効だと学びました。午後のパネルディスカッション【揚げられたテーマについて、異なる意見を持った複数の討論者によって公開で討論を行うこと】はパネラーが様々なお立場から障がいのある方の周囲にいる我々の課題について『教育』という側面でお話くださいました。

4人のお話しをまとめると、問題行動の分析(子どもの行動の分析)は記録をとること。記録をとると後から気づくことも多く役立つとのことでした。また、大人も子どもも成功体験することで成長する、またその成功体験を共有することも大切だというお話を伺いました。

今回の研修をうけ、感じたことは『一貫性』でした。 1人の支援者が1人の利用者に対して一貫した支援を行うことは大切だ と思います。しかしそれ以上に1人の利用者に関わる全ての人が共通の意 識と理解で利用者を想い関わることで、本当に一貫性のある支援につなが るのではないかと感じました。(永田智子)

---------------------------------------------------------------

第23回 発達保障実践講座 「発達保障の考え方と発達のしくみについて

〜発達を学ぶと子どもや仲間の内面がわかる〜

平成23年11月27日10:00〜17:30 日本ガイシフォーラムレセプションホール

講座1、自閉症の発達的理解と発達の姿  
赤木和重先生(神戸大学)

参加者:永田、曽根田

 この講座では、1歳半ごろの発達的特徴と発達診断、この時期の保育・教育のありかたのお話をお聞きしました。1歳半のころの特徴として以下の3つが挙げられます。

1つ目には、「〜ではない〜だ」(考える力・試行錯誤する力) それまでの一直線的行動ではなく、ちょっと立ち止まって考えることができるようになり、また視線を他に持って行き考えるようになるなど「考える力」がこの時期に芽生えるようになるとのことです。そのため、すぐに声掛けをして誘導するのではなく、見守ることも大切な支援であり、この時期の保育のあり方としては、支援者が意図的に「間」を作り、ただ待つだけではなく、積極的な意味づけをすることで、子どもの考える力を発動させ「〜ではない〜だ」の力を豊かにすることが大切である。

2つ目には、「マッチングの力」 2つの事物を関係づける力「このカバンが出たらお散歩」「自分のおむつはパンダさんのかごへ」「このお歌を歌うと今からご飯」といったような、初歩的な空間の認識や時間の認識とのことです。このマッチングの力には、8時にテレビをつける、8時20分に歯を磨くなど決まった時間に決まったことをすることも含まれ、保育では「マッチング」を崩すことも大事で、ひとつの能力を育てていくだけではなく他の能力も一緒に育てていくことも発達支援だとおっしゃられていました。

3つ目には、「自他の意図の調整の力」(おりあいをつける) 自分のつもり(意図)を出すだけではなく、相手のつもり(意図)に気づいていく中で、ぶつかりあい、調整しながら、対人関係を豊かにしていく力となっていく。

この時期の保育では、まず子どもの気持ちを受け止める:言葉にする/動作で示す→その上で、そろりと誘う、「自他の意図の調整(おりあい)」を豊かにすることを大切にしていき、また本人を受け止める(気持ちは受け入れる)ことが大事で、その象徴が代弁(〜したかったんだよね)すること、しかし受け入れる(行動をすべて許す)わけではないこと、例えば、行動を全て受け入れているとパニック=要求を受け入れてもらえるになってしまうこともあるため「受け止める」と「受け入れる」は違うということを支援する側がしっかり理解しておくことが大切であるとおっしゃられていました。

他にも、1歳半ごろの発達的特徴として「表象」(ないものをイメージすること)、知っているものを指さす、系列的な表象(物事をつなげる)、1歳後半では、知っているものだけでなく、聞かれているものを指さすなどが挙げられました。

今回の研修は、子どもの発達ということがテーマで、とても関心のある講義でした。支援者として、子どもと遊ぶ時にも単に楽しく遊ぶのみではなく、それぞれの発達段階を捉えながら遊ぶことが、子どもの成長にとても大事になってくるのをあらためて感じました。ただ 気をつけなければいけないことは、すべての子どもたちが言葉や身体の機能 的な部分などが同時に発達していくわけではなく、発達段階が〇〇だから〇 〇というような決めつけになってしまわない様に気をつけなければいけな いし、支援をしていく上で一番大切なのは、その子どもそのものをしっかり 観ていくことだと思いました。(曾根田知恵)


上へ戻る
名古屋市西区菊井1-10-10