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アーチ研修報告

Vol.15 2012年10月15日発行

日本感覚統合学会主催  「感覚統合講習会 保育士・幼稚園教諭向けコース」

午前:感覚統合の基礎 発達障害児の感覚・運動の問題
午後:感覚運動面のアセスメント感覚統合理論に基づく学校での支援

日時:平成24年8月11日(土)
場所:大阪府立大学中之島サテライト
講師:岩永竜一郎さん(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻 准教授)

参加者:小澤、平松、東條、竹内

arch感覚統合とは・・・外界や身体内部から伝わってくる様々な感覚刺激を適切に処理し、適応行動に結びつける際の脳の中でのプロセスをいう。

感覚の中には視覚・聴覚・味覚・臭覚・表在覚(触覚・痛覚・温冷覚)・固有受容覚(身体と身体部位の間での位置感覚)・前庭覚(揺れやスピード・平衡感覚など)がある。

感覚統合は日常生活の中でどんな時必要か?

・ 他の人から話しかけられた時そちらに注意を向ける(必要な情報の収集)
・ 枠の中に文字を書く
・ 飛んできたボールをキャッチする
・ 人に触れられる              
など感覚統合は生きていく上で必要不可欠です。
人は、感覚情報が入ると耳・目・皮膚・筋肉で必要な情報だけを選別して反応するものです。しかし、発達障害を抱える子ども達は、必要な情報だけではなく全てをキャッチしてしまい刺激が多く入る過剰反応や、逆に気持ちがそれて情報が伝わりにくい低反応を起こす事が多く、これを感覚調節障害といいます。感覚調節障害の中には他に感覚刺激を求める感覚探求もあります。

感覚情報がうまく使えないと

・ 姿勢がうまく保てない
・リズムに乗った動きが難しい  
・文字がうまくかけない
・ 体操の真似が出来ない 
・手先が不器用         
・学習がうまくいかない 

私達大人は子どもの細かい反応を捉える事が必要になってきます。
これを捉えた上で以下の事に気をつけて支援していきます。

・ 環境調節(明るさ・臭い・音・スケジュール提示など)
・ 防御手段を使う(イヤーマフ・周囲の理解・洋服の素材など)
・ 情緒の安定を図る(子どもにとって落ち着ける場・人・体調管理)
・ 刺激の自己コントロール・能動的体験(人にされて不快な事を自分で・・例え音が苦手でも自分で楽器を鳴らすのは大丈夫など自分でコ ントロールする経験)

感覚統合療法ではどんな事に取り組んでいるのでしょうか・・・

・運動行為機能の問題に対して、区別能力を高める →感触遊び
・揺れの刺激(粘土・くすぐり・シーツブランコ)
・姿勢・バランスの改善  →姿勢運動を育てる(平均台渡り・ケンケン・片足立ち)
・身体図式・運動企画・協調運動を育てる  →身体の使い方を知る
・リズム、タイミング・アスレチック・ボール遊び
・スローモーションの真似

実際にスイングを使った、遊びを通しての感覚統合療法の映像を見ました。
はじめの頃は、人との関係が築きにくく、ゆさぶり・くすぐりを苦手とした子どもが、スイングに乗っての小さい揺れから少しずつ体験する事で楽しさを感じ、大きい揺れも楽しめるようになっていき、その後スタッフからのくすぐりを期待して求める姿もみられました。このように前庭刺激が受け入れられるようになると、対人関係がよくなる結果も出ているそうです。

心地いい揺れ、楽しい揺れは個々によって違うので、子どもに合わせて行う事が大切と思います。

手先が不器用、まねっこが苦手、字を書くのが苦手となるとそこにばかりに目がいきがちですが、身体が上手に使えるようになる事がとても大切だという事が今回の研修でわかりました。

今後の支援でも、子ども一人ひとりの快・不快をしっかり捉える事を大切にしていき、楽しい事を基盤に感覚統合療法の視点も入れていきたいと思います。(竹内知子)

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arch講習会は「感覚統合はどんな時に必要か?」という問いから始まりました。

その答えとして挙げられたものは、
・他人から話しかけられるとそちらに注意を向ける
・歯医者で治療を受ける
・枠の中に文字を書く
・体操を覚える
・飛んできたボールをキャッチする
というものでした。

これを聞くと私達は普通に感覚統合を行って生活しているということが分かります。外界や身体内部から伝わってくる様々な感覚刺激を適切に処理して脳の中でプランニングして適応行動に結びつけているのです。感覚が入ってくる過程に問題があると、歯医者に行った場合では「目の前の人がどういう人なのか」や、「その行為の意味」がわからず過敏に反応してしまうこともあります。ボールをキャッチする場合では、自分の手がどのスピードでどの様に動いているのかがわからず、うまくできないなどの様々な障害がおきるということでした。  

感覚統合療法の対象となることが多い障害としては、・発達性協調運動障害・広汎性発達障害・注意欠陥多動性障害・学習障害・知的障害・脳性麻痺が示されました。

感覚統合療法の中で感覚識別能力を高める方法としては、ビーズの中から10円を探す、ねんど遊び(感覚遊び)、またがり型のブランコ(揺れの刺激)・フィンガーペインティング・袋やポケットの中からのおもちゃ探し・背中に書いた文字当て・ハンバーグやパン生地などのこねる料理などが紹介されました。

また、姿勢・バランスを改善する方法として・ウルトラマンの姿勢(うつぶせ伸展)・たまごの姿勢(仰向け屈曲)・片足立ち・ケンケン・平均台渡り・縁石渡り・WiiFitなどが紹介されました。 「身体図式・運動企画能力を育てる方法」として・アスレチック・木登り・ 山登り・沢登り・スローモーションの真似・(鉄棒、跳び箱、ボール遊び等)運動課題の予習などが紹介されました。

印象に残ったことは施設などで運動遊具を使う場合は、その設定を毎回どんどん変えていくことが大切で、目的によっては1時間の内に何回も変える必要も出てくるということでした。

感覚統合療法を実施する際の留意点としては
・楽しい活動にする
・適切な感覚刺激を得られるようにする
・ちょうど良いチャレンジを促す活動で成功体験が得られるようにする
・安全を確保する
ということでした。

さらに感覚刺激を与えっぱなしにせず、感覚刺激⇒運動・行動の関係を常に考え、感覚刺激をうまく消化できたかを見る(適応反応を引き出す)という点まで確認することが必要であるということでした。この他にも情緒の安定、感覚調整障害、アセスメントに関してなど様々なお話を聞かせて頂きました。

この講習会を通して、子どもたち一人ひとりの感覚や運動の問題に気づくこと、そして児童デイサービスでこれまで行なってきた活動に感覚統合の視点を取り入れ、組み合わせて用いることが重要だと知りました。(小澤篤)

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歳を重ねると脳性麻痺ってどうなるの? 〜予防法の最新治療〜

日時:平成24年9月9日(日)
場所:半田市 雁宿ホール 第1部 基調講演
講師:万歳登茂子さん (愛知医療学院短期大学 教授)、(医療法人仁寿会サニーサイドホスピタル 副院長)

参加者:平松

幼い頃、歩けていた脳性麻痺者が歳を重ねるにつれて、障がいが重くなっていくこと(二 次障害)や新たな合併症(二次的合併症)になることは現実にあります。脳性麻痺のタイプにより、症状や出現する二次障害は異なりますが、二次障害の出現する確率は高いと万歳先生はおっしゃってみえました。

しかし、これを悲しいことなどと捉えてあきらめてしまうのではなく、「脳性麻痺」への正しい理解と、成長するにつれて発生確率の高い「二次障害」への対応方法の知識を得ることで、適切な治療を行っていくことが大切だと学びました。

代表的な二次障害として局所的なものとして…

・側弯症・頚髄症・腰椎症・股関節脱臼 ・膝不安定・足部変形・上肢変形

全身的なものとして…

・体重増加・体重低下・摂食障害・嚥下障害・うつ傾向が挙げられます。

二次障害の治療はリハビリテーション・装具・手術的治療が代表的でしたが、最近の治療法として痙縮治療などによる二次障害予防としてボツリヌス治療というものがあるそうです。

治療法としてはボツリヌスA型毒素の帰筋肉注射(商品名:ボトックス)。
治療の効果は…関節拘縮の悪化予防・変形の悪化予防・関節脱臼予防・整形外科的・手術回避と時期の延期ですが、

問題点としては…人により量、効果が異なる・過剰効果が出現することも ある・効果持続3〜4か月と短い・深いところの筋へは手技的に困難といった点が挙げられます。

また、脳性麻痺児者の二次障害の予防として安定した食生活、生活習慣・定期的に健康診断を受けること(特に学校を卒業すると受ける機会自体が減るので注意)も大切だと学びました。万歳先生が特におっしゃってみえたことは、リハビリテーションを行うことで本人はつらいかもしれないが(当事者の多くは幼いころのリハビリ訓練は辛かったというそうです)、乳幼児期(幼い時期)にしっかり行うことが大切とのことでした。

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第2部 パネルディスカッション 今の自分とむかしの自分
〜二次障がい当事者の体験に学ぶ〜

パネリスト   
森美親さん 障害者ヘルパーステーション マイライフ西 所長 杉江徳長さん  半田肢体不自由児・者父母の会 中嶋由佳理さん 愛知県立ひいらぎ養護学校に通う障がい児を持つ母

コメンテーター 万歳登茂子さん 愛知医療学院短期大学 教授

コーディネーター 加藤恵さん 半田市障がい者相談支援センター長

3名の当事者や家族の方から脳性マヒの二次障害・二次障害の予防に関してお話がありました。

脳性マヒ者は全ての動作で負担をおっている(食べること・話すこと…息をすること)と森さんはおっしゃってみえました。毎日が筋緊張との戦いだと…。不随運動(筋緊張)さえなければ、二次障害は遅れていたのではないかと森さんは思っているそうです。現在40代後半の森さんが幼い頃は今のような治療もなかったとのことでした。ご本人のご自宅もバリアフリーではなくお部屋も2階で体に負担がかかっていたことも二次障害への道を歩んでいたのでは?またパソコンのお仕事をされていたとのことで、お仕事を頑張りすぎたことも原因だったのでは?と、昔の自分をふりかえると思うそうです。

杉江さんは幼いころは歩けるようになることはいいことだ。健常者に近づけることだと言われ(思い)リハビリを続けてきたが、いざ歩けるようになったら歩くことだけで精一杯だった。声をかけられても応えられないし、景色を見ることもできなかったと昔をふりかえっておられました。

4年前腰椎に二次障害をかかえ、手術を行ったそうです。その後生活は180度変わり、布団からベッドへ、家の中でも簡易型電動車椅子へ、生活のほとんどで介助が必要になったそうです。でも一番変わったのは眠れる様になったこととご本人はおっしゃっていました。手術を行なってよかったと。現在は頸椎の予防のためボトックス治療を行なっているそうです。

保護者の立場からのお話も伺いました。現在小学校1年生のお子さんを持つ中嶋さん。低酸素性虚血性脳症で現在ボトックス治療を行なっているそうです。緊張を落とした状態でリハビリを行える事と手術の時期を遅らせることができるようになったことが治療をしてよかったと思う点だそうです。コメンテーターの万歳先生も、子どものうちはおだててでもリハビリを行わせることがよいとおっしゃっていました。

また、最後の森さん、杉江さんは当事者の立場から、当事者の方や支援者の方へのメッセージとして、自分の体を知ることが一番大切で、最低2名のドクターに診察してもらい違う視点・観点を聞くことも大切だとおっしゃっておられました。自分の体を知るためにレントゲンやMRI・CTをとることをすすめるそうです。(平松智子)

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