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アーチ研修報告

Vol.17 2012年12月15日発行

利用者主体のケアマネジメント

主催:あいち児童発達支援連絡会
日時:10月14日(日)
場所:名古屋市女性会館
講師:
渡辺顕一郎さん(日本福祉大学子ども発達学部 教授)
谷口明広さん(愛知淑徳大学福祉貢献学部 教授)
大田優子さん(NPO法人生活支援センターわたぼうし 代表)

参加者:赤崎、山田、小澤、平松、東條、竹内、安井

谷口さんは、「現在の"相談支援従事者"は個人ネットワークを駆使し、孤軍奮闘する中で利用者の幸福という目的を目指して活動している。しかし、その形態は相談支援従事者である個々人の力量によって、ネットワークを形成する専門家の人員も変化し、それにより有効性も流動的なものになっているので、善意に依存するネットワークである横のネットワークを見直し、縦のネットワークという現実的で機能的なシステムを考えていきたい」と語り出しました。そこで、カリフォルニア州の発達障害者の地域生活支援を担当し、州内21カ所の支部を持ち、1970年代の後半に「親の会運動」によって設立された"リージョナル・センター"を要とする縦ネットワークによるアンブレラ・システムを紹介し、ネットワークの中核に「政治的な権威」、「財政的な実権」、そして「豊富な知識に裏付けられた専門性」が必要であるという話をされました。これを日本に置き換えると、頂点に自治体があると考えられるが、予算という権威だけでは弱く、また中核的役割を期待される地域の自立支援協議会もばらつきが見られ、十分に支援システムが機能しえないと感じました。

大田さんは相談支援事業所が作成する「サービス等利用計画」と支援事業所が作成する「児童発達支援計画」の違いを家作りに見立てて話されました。それは、「サービス等利用計画」は設計図であり「児童発達支援計画」は施工図であるというものでした。なぜなら、家を建てるには"どんな家に住みたいか""施工をどの業者にたのむか"などの相談支援(設計)が必要であり、実際に家を建てる専門職として様々な支援事業所が必要だからです。また、相談支援における利用計画でもアセスメント(どんなニーズがあるかなど)の大切さを話されました。設計どおりの家でも、実際に住み始めたら不便だらけの家では困ってしまいます。"あれば便利""なくてもよい"設備は住む人によってまちまちなように、利用する人によってベストプランを作るためのアセスメントが大切だと改めて実感しました。

学習会を通じて、改めて相談支援従事者の大切さを学びました。 医学的な障害の軽重と求められるサービスの量は比例しておらず、その人の環境によって必要なサービス量は変わる。だからこそ、児童期のニーズの特殊な背景を理解した上で、情報の収集を行う事が求められると感じました。(東條守雄)

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障害のあるかたのニーズは多様であり、生まれた時から高齢にいたるまでのトータルな支援提機関と支援システムが現在の地域社会において必要になってきています。

地域社会における実用性の高いネットワークは以前から求められており「サービス支援会議」や「ケア会議」などで横のネットワークを作り上げています。しかし実際は、相談支援従事者個々人の力量でネットワークを形成しているため、関わる専門家の人員も変化し、有効性も流動的なものになっていると谷口さんはおっしゃっていました。

谷口さんはアメリカのカルフォルニア州で行っている縦のネットワークである"アンブレラ・システム(傘下システム・ネットワーク)"のお話をしてくださいました。

アンブレラ・システムとはリージョナルセンターが個人別プログラム計画や傘下にある関連機関、関連事業の詳細を把握し、適切な計画を行っているかどうか指導しているシステムのことを言います。

カリフォルニアでは、発達障害を持って生まれてきた子ども、また発達障害があることが成長するにつれてわかってきた子どもに対し3カ月間に及ぶアセスメントを行い、出来ないことではなく出来ることに注目し「支援の大元となる個人別プログラム計画」を作成し、この個人別プログラムを作った担当者は生涯を通して支援の中心となっているとのことでした。個人別プログラム計画に沿うように事業所等が作る個別支援計画も作られていき、もしプログラム計画に沿わない計画になっている場合には、リージョナルセンターから作り直しの指示が出されるそうです。

私が1番すごいと感じたのは生涯を通して支援の中心となる人が決まっていて、変わらないということでした。生涯を通して支援の中心になる人が変わらないので学校など生活環境が変わっても支援方法が極端に変わることもありません。

また、アメリカの法律では22歳までならば高校の卒業認定をもらうことができ、18歳で卒業の認定がもらえなかった場合はまた4年間教育を受けることができます。この4年間で何を頑張っていくかというと社会性を身につけるためのその子に合った勉強を行っているそうです。日本とは違い、20歳以上になっても高校の卒業認定を取得することができると法律で定められているという点でも、とても柔軟でその子に合った支援が行っていけるようになっていると感じました。

大田さんは相談支援事業者が作成する「サービス等利用計画」と事業所が作成する「児童発達支援計画」は住宅を建てる際の「設計図」と「施工図」に似ているとのお話でした。

・どんな家に住みたいのか(どんなニーズがあるのか)
・どんな設備が必要なのか(どんな支援を必要としているのか)
・完成予定はいつなのか(いつから・いつまで)
・どの業者に頼むか(事業者の選定)
・修理、改築(この支援が本当に合っているのか【モニタリング】)

人によってニーズは違ってくるのでアセスメントがとても大事になります。 その子の持っている能力を引き出し、その子がどんな風に生活していきたいか一緒に考えていきながら、手段としてサービスの提供をしていくことが大切だとおっしゃっていました。子どものできていることに注目し、できることを伸ばしていく支援がとても大切だと改めて感じました。(安井由香)

 


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