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アーチ研修報告

Vol.36 2016年2月15日発行

発達障害がある子ども一人ひとりのニーズに応じた指導・支援の具体的方法

第一部 「発達障害のある子どもの特性に沿ったサポートと教材の活用〜使い 方で変わる教材の有効性〜」
第ニ部 「作業の工夫で子どもたちを元気に!」
日時:2016年1月10日(日)
講師:
第一部 山田充さん(特別支援教育士スーパーバイザー・自閉症スペクトラム 支援士アドバンス・堺市立日置荘小学校首席(教諭)/堺市特別支援 教育推進リーダー育成研修推進委員)
第二部 丹葉寛之さん(藍野大学医療保健学部作業療法学科講師・大阪府作業 療法士会発達部門代表)

参加者:平松

一番大切なことは「子どもの状況をつかむこと」というフレーズから研修が始まりました。保護者や支援者は色々な支援テクニックを覚えて子どもに使ってみるのではなく…

@子どもの状態を明らかにする
A子どもの特徴を明らかにする
B子どもの特徴と子どもの状態の因果関係を明らかにする
C明らかになった困難の因果関係から対応を考えていく

この4段階で支援方法を考えていくと子どもたちにあった学びを探していけるとのことです。山田先生は長年の現場での経験、ADHDやLDの児童・生徒の学校での学習場面での事例をいくつか紹介して下さいました。

実際のお子さんの事例を用いて、その子の問題行動、問題行動の原因、二次障害、どのように対応したかをわかりやすく説明頂きました。どの事例も全て身近にありそうで、解決が必要だけどなかなか解決できずにいることが多くとても勉強になりました。      

小学3年生のDくんの例

<問題行動> 

@書写の時間にいうことを聞かずに問題行動を起こしてしまう…
A書写以外の時間は一生懸命頑張っている。学習は漢字や九九の定着が悪い…

問題行動の原因は?=別の問題

例えば

・学習が難しい
・頑張ってもうまくいかない、できない
・失敗経験、叱責された記憶だけが蓄積 

等の理由が考えられます。

本人に話を聞くと「算数の先生は厳しいし、数学は難しいからストレスがたまる。書写の先生は優しいから好き勝手やった。」とのこと。

Dくんの状態・特徴をアセスメントし、山田先生は九九の勉強方法を提案し、長期休暇に自宅で勉強するように指導したそうです。その結果九九ができるようになって、数学の授業に参加するのが楽しくなり自信もついたそうです。

Dくんの困り感に気づかず適切な対応や配慮をしないと、自尊心を低下させるようになってくるのです。その結果、二次障害を引き起こすこともあります。特にADHD、LD、PDDの子どもたちは意欲低下を起こしやすいと言われているそうです。  

この事例のDくんがどんな方法で九九を覚えたか というと、唱えながら書く!という方法です。

まず、2種類の紙を用意します。 (※用紙1,※用紙2)

左の紙をみながら、右の紙に九九を唱えながら書く! という方法だそうです。

「 × = 」を書いておくと、唱えている声と 手の動きが同じになるためリズムよく進んでいくそ うです。唱えながら書き、課題全てできたらご褒美! (課題が終わった際に「覚えた?!」と聞かないこと も重要だそうです)

 「見て→書く」を繰り返すうちにだんだん「見る」 の作業をしなくなります。「見る」をしなくなって唱 えながら書いていれば、覚え始めている証拠だそうです。この方法でDくんは九九を覚え、自信がついたそうです。

Eちゃんの例【それだけ練習しても漢字の書き取りでO点】

アーチ研修報告お母さんに毎日静かに腕を組んで睨まれながら、漢字の練習をしているEちゃん。 テストのために1時間以上漢字を書き続けているがなかなか覚えられません。

山田先生の見解、なぜかと言うと…「なんでお母さんは 怒っているんだろう?」、「どうして腕をくんでいるのだろ う?」、「静かだなぁ…」とEちゃんは他のことを考えてい るから!!

これは、Eちゃんではなくお母さんが変わればいいのだ そうです。

Eちゃんの横でお母さんは漢字の小ネタをずーっとしゃ べり続けるとEちゃんは他のことを考えられなくなってお母さんの漢字の小ネタを覚え、漢字も覚えていく!とのお話でした。

他にも多くの事例を聞き、実際の支援ですぐに役立ちそうなお話や保護 者のかたから相談されたらお話できそうな話題を聞けて、勉強になり知識、話題が増えました。

後半は作業療法士の丹葉先生の感覚統合のお話でした。子どものむずかしさをどうみていくかでは、「@こどもの心身機能の分析 A作業課題の分析 B環境の分析」が大切だと学びました。

アーチ研修報告発達障害のある子ども達は、人や物、環境との関係をうまくとりにくく感覚の調整が難しいため、心身にストレスがかかりやすいのです。

そのため活動中、学習中など作業中に安心、満足、達成感 を持ちにくいそうです。また、一生懸命努力しているから疲 れやすく、苦手な事を避けるため経験が少ないのも特徴なよ うです。

人や物、環境との関係がうまく取れる手だてを見つけて、 うまくいく喜びを感じてもらうこと。私たち支援者は作業の 可能性を奪わないようにするため手を出しすぎず、口を出し すぎないことが大切です。

また、本人が無理をしすぎないで自分のやり方でどこを誰に助けてもらい何を練習すべきか、本人の意思を尊重し、目的を明らかにして支援者が見守り、協力は最小限にすることが大切だと先生はおっしゃってみえました。

今回の研修で2人の先生のお話を伺い、一緒に過ごしている時間の中で遊びだけでなく学習面、作業面での支援の在り方を考える機会になりました。また、根拠のある支援を心がけ一人ひとりのご利用者さん、保護者の方の大切な時間、日々の役に立てるよう努めていきます。(平松智子)


平成27年度 第2回 強度行動障害支援者養成研修 基礎研修

日時:2016年1月17日(日)、24日(日)
講師:吉川徹さん (愛知県心身障害者コロニー中央病院 児童精神科医師) 林大輔さん (社会福祉法人 大府福祉会あけび苑 副管理者) 出口普さん (NPO法人 ゆめじろう 理事長) 西鶴園弥生さん (NPO法人 とーたす 理事長) 神田健司さん (NPO法人 MOVE)

参加者:山田、小澤、平松

アーチ研修報告強度行動障害とは、自分の体を叩く、食べられないもの を口に入れる、危険につながる飛び出しがあるなど本人の 健康を損ねる行動、他人を叩く、物を壊す、大泣きが何時 間も続くなど周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が、著 しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要 になっている状態のことを言います。

今回、強度行動障害のある人の基本的理解と支援技術の基礎を学ぶために、 この講習に参加しました。

2日間の講習を通じて特に大切だと感じたことは、行動障害になるには それなりの理由があり、「本人の特性」と「環境」との相互作用で引き起こされるという捉え方です。その説明として「氷山モデル」のお話がありました。

アーチ研修報告「氷山モデル」とは、表面に見えている行動を 氷山の一角として捉えて、氷山の一角に注目する のではなく、水面下にある部分の方が大きいこと から、その水面下の要因に着目することで支援の 方法を考えるというものです。

私自身も振り返ると「人を叩く」「髪の毛をひっ ぱる」「物を投げる」などの行動に対して「やめさ せる」ことに心を奪われ、本人の為だと注意して ただ叱ってしまったり、その問題を表面的になく そうと本人の行動を受け止めているだけ、という ことが多くなってしまっているのではないか感じ ました。

障害特性を理解し、環境を整え、それによって ストレスや混乱を減らすことができるよう支援計 画を立案することが必要だということです。

また、チームで一貫した支援を行い、勝手な判断で支援の方法を変えないようにするため個別支援計画書に加え「支援の手順書」を作成することが重要です。

これまで様々な場所でそれぞれの方法で行われていた強度行動障害への支援方法も、今ではスタンダードがあります。

アーチ研修報告・構造化(活動や世の中のことのしくみなど、その人にわかりやすく示す方法) された環境の中で
・医療と連携しながら
・リラックスできる強い刺激を避けた環境で
・一貫した対応をできるチームを作り
・自尊心を持ちひとりでできる活動を増やし
・地域で継続的に生活できる体制づくりをすすめる

という支援の枠組みがあるということです。

私たち支援者は、すべてを難しく考えたり問題をひとりで抱え込んだりするのではなく、その支援が本人にとって無理のないもので且つ楽しめるものであるかを意識しながら、支援のアイデアを柔軟に考え、また、緊急時にも笑顔で、動作は静かに、余裕を持った対応が大切であることもこの研修で学ぶことができました。(小澤篤)


〜その他の参加した研修〜

我が子の自立に向かって〜愛と性の視点から考えてみよう〜
講師:渡辺武子さん(一般社団法人"人間と性"教育研究協議会)

参加者:大久保、安井


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