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アーチ研修報告

Vol.39 2016年8月13日発行

障害児支援の制度―成り立ちと現状の課題

日時:2016年7月31日(日)
主催:あいち児童発達支援連絡会
講師:渡辺顕一郎さん(日本福祉大学 子ども発達学部 教授)

参加者:山田、安井

「障害児を取り巻く支援・制度の動向―放課後の支援に着目して―」をテーマにした研修でした。 

前半は障害者権利条約の説明とインクルージョン、合理的配慮、障害者差別解消法などの近年の大きな流れの説明や子ども達の育ちをめぐる課題を中心に学びました。

学齢期の課題のなかで、世界の子ども達と比べると日本の子ども達は自己肯定感が低いという事実に驚きました。特に社会的に役に立ちたいという気持ちがありながら「何ができるのか わからない」と自己有能感あるいは有用感の低い子ども達が多いということでした。

「学童期の発達」のなかで自己肯定感を育むことの必要性は障害児に限らないと改めて感じました。学童期は発達がゆるやかに進むからこそ、「自分は役に立てる人間なのだ」と自覚できることも大切だと知りました。役立ち感の経験と併せて自分の良さに気づくことや欠点等の受容を経て、「できるできないは関係ない」「存在自体が評価される」という自己肯定感の形成を促す重要性を感じました。自己有用感の低さや自己肯定感を形成できない背景に、虐待や貧困問題、発達障害への理解と対応などの課題も浮き彫りになりました。

放課後児童クラブ(学童保育)の待機児童問題や支援の質的向 上も話題に挙がりました。支援の質の向上については、それぞれ の事業団体によって支援の質の格差が生じないようにするために 最低基準である「放課後児童健全育成事業の設備及び運営にする 基準」が省令として公布されました。また、この最低基準を細か くしたものや、支援の内容についての「運営指針」も規定された とのことでした。

放課後等デイサービスについては、歴史やガイドラインの特徴も再確認しました。ガイドラインでは、基本活動(@自立支援と日常生活の充実のための活動、A創作活動、B地域交流の機会の提供、C余暇の提供)を複数組み合わせた支援を行うことが求められます。共生社会の実現に向けた後方支援が掲げられ、学校等関係機関との連携を積極的に図っていくことが、子どもの最善の利益の保障に繋がると感じました。

また、子どもの支援の質が何処に通ったとしても担保されていることが重 要です。どの地域であっても最低限の質のサービスが受けられなければなら ないことを協議会などを通じ、伝えていくことが大切だと理解しました。

すべての子どもたちに必要な支援を提供することの意味の奥深さを感じま した。子ども達が地域と社会生活に結びつくことのできるよう、学童保育との連携にとどまらず、障害についての知識を地域の子ども支援のいろいろな場面でも活かすことができるように考えていきたいと思います。

(山田英玉)


障害者差別解消法を学ぶ 障害者権利条約批准から2年 ―利用者の意思決定支援を考える―

日時:2016年6月5日(日)
主催:あいち児童発達支援連絡会
講師:柏倉秀克さん(日本福祉大学 社会福祉学部 教授)

参加者:赤崎、安井

今回の研修では障害者権利条約に批准してからの障害者制度改革や障害者差別解消法、意思決定支援について学びました。

障害者差別解消法では、最初に障害者基本法での障害者の定義から教えていただきました。障害者の定義とは、機能障害+社会的障壁によって、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあることをいいます。

障害者差別解消法は、社会的障壁を合理的配慮により除去することで、障害を理由に妨げられていることをなくす社会にしていこうというものです。合理的配慮の基本的な考えとしては、@ある社会的バリアを取り除くよう障害者からの求めがあればA解消するための負担が非常識ではない限り取り除くよう努めることであり、基本的に障害者側からの意思表明がなければ取り上げられないということでした。

また、障害者の意思決定についても考えさせられました。障害 者権利条約の批准前は、意思決定できる人と意思決定できない人 がいるという考え方でした。批准後は、人は誰でも意思決定がで きるという考え方に変わりました(そのハズです)。

柏倉先生は「どんなに重い障害があっても本人の意思は絶対に あり、それこそが人間の尊厳である!!」とおっしゃっていまし た。支援する側の判断のみで支援を進めるのではなく、本人がゆっくり考える時間を設け、見守る支援、主体性を育てる支援、考えや価値観を広げる支援をしていくことで意思決定できるようになるといいます。いつもこうだからと勝手に決めてしまうのではなく、時間をかけることや、選択肢をわかりやすく絞るなど支援者が工夫をこらすことが本当に大切だと改めて思いました。

イギリスでは、意思能力法といって、自分自身で决定を行なうことができない人たちのための法律があるそうです。しかし、自分で意思決定ができるよういろんな方法を尽くしたあとで、という原則があります。また、本人に代わって意思決定するにはベストインタレストという身近な支援者が話し合って本人にとって最善の利益になるように決めているそうです。しかし、いくら周りの人が話し合って決めていても本人の思いとは全く違った答えになる可能性は否定できません。本人の意思を受け止める難しさをとても感じました。

今回の研修で、自分で選ぶ経験を積み重ねることがとても大切だと感じました。自己選択、自己決定、そして自己責任というのは簡単にはいかないと思いますが、日々の支援の中で自分で選んでもらうという機会を増やしていくことが必要だと感じました。本当の思いを導き出せるよう、工夫をしながら支援をしていきたいと思います。

(安井由香)   



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