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アーチ研修報告

Vol.42 2017年2月15日発行

「発達障害児の理解と発達支援」

日時:2017年1月31日(火)
主催:名古屋市内障害児通所支援事業所連絡会
共催:名古屋市子ども青少年局子育て支援部こども福祉課
講師:別府悦子さん(中京学院大学教育学部子ども教育学科教授)

参加者:赤崎、山田、小澤、大久保、山口、安井

 今般の研修では、発達障害児を「その子(人)らしさ」と 「発達段階(発達段階論)」の それぞれの側面から理解することと支援することについて学びました。

  まず、具体的教材として『おこだでませんように』の絵本が紹介され、主人公の特徴(特性)・困難・問題についての 提起がありました。主人公は叱られてばかりですが、本心では怒られたくない(悪いことをしている つもりはないのに)と 思っており、絵本の締め括りでは本人の怒られたく ないという気持ちを理解してもらえ褒められるというものでした。

 障害児の特性・困難・問題については、発達障害【自閉症スペクトラム (ASD)・知的障害・自閉症・注意欠陥(欠如) 多動性障害(ADHD)・学習障害(LD)・発達性協調運動障害(DCD)】の理解が必要です。

 スペクトラムとは「連続体」のことで、分けて考えられがちな「障害児の性格・気質・持ち味」と「発達障害」は対極に 位置するものではなく、連続体として繋がっていることを踏まえることの重要性について気がつかされました。 「適切な理解と支援でその子らしさが発揮できる」ということをスペクトラムの観点から再認識できたことはとても有意義でした。

 また、子どものみならず大人も含めた注意欠陥(欠如)多動性障害、学習障害、知的障害、自閉症スペクトラムそれぞれへの 合理的配慮についての言及がありました。これらの 障害がある人たち 一つひとつの行動には理由があること、その理由を知った上で適切な対応をすることが合理的配慮になり、心許せる関係を築く ことがいかに大切であるかを学ぶことができました。先生が言及したことで印象に残っていることは、やはり「遊び」を通して 上記 各々の理解と対応が求められるということです。今後、デイサービスでの取り組みを考える際に積極的に取り入れていきたい と思いました。 さらに、発達には段階があること(発達段階論)と、発達をまるごと理解すること(発達連関と機能連関)に ついても学びました。問題行動と言われる行動ばかりを見てしまうのではなく、まるごと理解するということの必要性が 分かりましたので、これからの支援で活用していきたいと思います。

 特別ニーズ教育(インクルーシブ教育)の課題についてのお話では、「その子らしさ」の理解についてはもちろんのこと、 重要な他者の存在がこの課題克服のために必要であり重要であることを学ぶことができました。重要な他者は社会学の理論を 援用したもので、学部で社会学を専攻した私にとってはとても興味深いお話でした。これは、アメリカの社会学シカゴ学派の ジョージ・ハーバード・ミードがセルフ理論の中で提唱した理論ですが、重要な他者の対極には一般化された他者があり、 私たち支援者は一般化された他者ではなく、重要な他者になる必要があります。こうして、理解してくれる、自分の思いを 受け止めてくれる相手に出会うことがその子を変える、という言説にはとても納得しました。ミードは社会心理学の研究者ですが、 社会学の理論が支援に援用できるという点は私にとってとても画期的であったとともに、社会情報学を修士まで専攻した私に とって、社会心理学は自らの専攻とは少し違いますが基礎的理論と概論についてはすでに学びましたので、社会心理学を再度深く 学ぼうと思うきっかけとなりました。

(大久保元紀)


「肢体不自由児の理解とかかわり方の基本」

日時:2017年1月22日(日) 主催:あいち児童発達支援連絡会
講師:伊藤美保子さん(藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科助教)

参加者:安井

 今回の研修では、作業療法士の視点から運動発達の一般的な傾向や感覚統合についてお話して いただきました。自分の体を使って実験をするなど、とてもわかりやすい研修でした。

 研修の中で私の心に一番残った言葉は、「何が最優先なのかを考えること」ということでした。 例として上がったのは、スプーンの柄の先を持ってご飯を食べている3歳の子どもです。スプーンが安定しないので、 食べこぼしが多くなってしまいます。スプーンの持ち方を 修正すると怒って食べるのを止めてしまいますが、直さないと 自分で食べることができます。この子にとって今一番大切なことはなん だろうと考えた時に楽しく食べること、 最後まで椅子に座って自分で 食べることだったと伊藤さんは仰っていました。最後まで楽しく食べることができるように 座りやすい椅子にし、今の時期は食べることが 楽しいことだと思ってもらうことが大切だとのことでした。 できない ことばかり見てしまうのではなく、できていることを認めること、伸 ばしていくことの重要性を再認識しました。 運動障害の最優先は何かと考えると、歩くこと(自分で移動できること)も大事、自分で衣服の着脱ができることも大事、 自分で排泄処理ができることも大事だけど、一番大事なものは「できないから手伝って」と伝えることができる事 (コミュニケーション)だと仰っていました。助けを求めることができるようになることでQOL(生活の質)が高くなるとのことでした。

 また、感覚統合についても教えていただきました。感覚刺激には、触覚、固有受容覚、前庭覚、視覚、聴覚、嗅覚、 味覚があります。この中で自覚しにくい感覚は、触覚、固有受容覚(手足の状態・筋肉の伸び縮みや関節の動きを感じる感覚)、 前庭覚(身体の動きや傾き、スピードを感じる感覚)の3つだそうです。この感覚がわかりにくかったり、強すぎたり、 感覚の統合がうまくできなかったり、発達にかたよりが生じることで生きにくさが出てくるとのことでした。

 研修を受けて、「1番その子にとって必要なことは何か」「克服すべき時期は本当に今なのか」を 考える重要性をとても感じました。その子にとっての今の課題を明確にしていくことで「やりたくない、嫌い」と 思ってしまわないような支援をしていかなければならないと感じました。

(安井由香)



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